2013年11月15日(金)
厚生委員会視察2日目・13日は町田市。20年間期間限定認可保育事業についての視察です。
町田市は、人口428,728人と都内では八王子に次ぐ大規模都市で神奈川にも都心にも近いベッドタウンとして発展しつつ、農業もおこなわれるという自治体です。
20年間期間限定認可保育事業は、すでに2009年度から建設されていますが、増え続ける待機児童対策として2012年度~2014年度の3年間で待機児童をなくす「緊急整備計画」として新たに実施。2011年度には435人に増えた待機児童を2014年度にはゼロにする計画です。
しかし既存の補助金制度を利用するには開設まで1年以上かかるうえに、将来的には就学前児童数の減少が見込まれる。
敷地がないこと、建設費用など初期費用が高く運営法人の負担が大きいといった問題点があり、それらを解消しつつ保育所建設を考えた結果、民間の土地建物を利用し運営は保育所運営を実施している法人に任せ補助金を出す。但し少子化で将来需要が減るだろうから20年間限定にしたとのことでした。
土地を持っている人にとっては、安定した法人に20年間継続して貸借でき、20年後に新たな資産運用をすることが可能にな
り、建設費のうち3000万円まで市単費で補助。運営法人にとっては、出来上がった建物を貸借するため初期投資が最小限で済むこと、20年後に保育需要が減少したとき撤退が容易にできること、20年間は賃借料の一部を市が補助(年間1200万円限度)するため運営しやすいというメリットがあります。
2012年度の実績は20年期間限定認可保育所を新築型1園120人定員、改修型1園64人定員、既存保育園の増改築3園で
合計定員92人、幼保連携の認定子ども園37人定員、家庭的保育者2名増で定員10人、合わせて323人の定員増を図ったとか。
いずれにしても、待機児童ゼロを打ち出した結果、子育て世代の人口流入が増加し計画通りには行かないけれど着実に待機児童は減少しているそうです。支援策で若者が増加し街が活気を帯びてくれたら良いと担当部長(当時)が決断したとのこ
とでした。
朝、12年度に建設され、13年4月開園したばかりの「もりのおがわ保育園」を見学させてもらいました。マンションが老朽化し取り壊されたところにたてられたようで、通り向かいには畑があり、マンションも多く利用者は多いだろうと推察されます。新築ですから設備も新しく、子どもの成長に合わせた設備が備えられていました。給食調理室も子どもから見えるようにつくられ対
話しながら調理ができるようにしてありました。トイレは小さく可愛い…年長さんのトイレは仕切りがあり一般社会に近くなっています。
お布団はレンタルでシーツだけ保護者が洗濯するのだそうな。
朝夕のパート保育士さん以外はみんな正規保育士で、
一時預かりや障害児の場合はそれように加配されるそうです。
そのあと伺った町田市役所は、2年前に建設されたばかりの10階建てで、とても広いロビー、2階、3階へはエスカレーターが動いています。3階が議会棟で、本会議場の横には庭園や中庭があるんです。
本会議場は自席で賛成・反対のボタンがありパソコンも使え
るようになっていました。賛成・反対を押すと、パネルに席が表示され誰が賛成したのかがわかる仕組み。そして集計が出ます。一般質問は質疑ともに60分。回数制限はないので1問1答が多いとのこと。発言席は身長に合わせて高さが自由に変えられるように設計され、傍聴席には親子連れで入れる個室もありました。
委員会室は円卓になっていて理事者側と向かい合わせで座
り、自分が発言する時にボタンを押せば発言者がモニター画面に映るシステム。何もかも近代的で、とにかく「お金持ち町田市」…でした。