根担保にご用心!
兵庫県で飲食店をしている方からTELがありました。その方の友人が同様に商売をしているけれど、住まいを担保に借り入れをしていたそうです。
その借り入れに関しては返済が終わったそうですが、その後保証協会付きの無担保無保証人融資を受け返済を続けてきたけれど、このところの不況で返済が厳しくなり、代位弁済を受けるつもりで相談に行ったところ、銀行から「根抵当に入ってますので…」と言われ、「何故無担保で借りたのに」と怒っておられるとか。
どうやら、最初に担保を差し入れた時が、根抵当設定だったようです。
単なる抵当権と根抵当では似ているようで大きな違いがあります。普通に返済ができている間は何の問題もありませんが、根抵当を設定した場合、抵当権の枠内で簡単に借り入れができる代わりに、担保設定せずに借り入れたものでも返済できなくなった時は担保物件を押えることができるのが根抵当の特徴です。
つい便利に借り入れができるからと、根抵当権をそのままにしているとこんな悲劇を生むことになります。
銀行は取りはぐれのないように根抵当を設定したがります。たとえば、親しくなった行員さんから「根抵当にすればもっと融資できますよ」とか「設定の範囲なら簡単に借り入れできて便利ですよ」などと、あたかも借り手側のために勧めているように言いますが、銀行に損が生じないようにするためであることを理解しておくことが大切です。
この方の場合、担保付で借りたものは終了しているわけで、その時点で設定を解除しておくべきでしたね。本当は今借りているのは無担保無保証人だから、事故があれば保証協会が肩代わりをするため、銀行が損をすることはないと、根抵当をはずしてもらうよう頼んでみたらどうかとアドバイスしましたが、現に返済不能となっているのであれば銀行は認めないでしょうね。
また、もし借り入れが小口融資でなければ、昨年秋から責任共有制度が導入されたため、8割は保証協会が負担しても、残りの2割は金融機関が被ることになり、いよいよ担保ははずさないでしょう。
無理な借り入れはひとつ歯車が狂うと返済不能に陥ります。つい景気のよい時のことを基準にを考えがちですが、最悪の売り上げでも返済できるよう、無理のない借り入れにとどめることをお勧めします。