高齢者に大打撃、ますます税の使い方の転換が求められます、
厚生労働省は11月30日、医療保険制度の見直し案を公表しました。高齢者を狙い撃ちするものとなっています。
自己負担の上限額を定めた高額療養費について、見直し案では70歳以上の負担上限額を現役世代と同水準に引き上げ、外来の負担特例も廃止し、2018年8月までに段階的に引き上げるというもの。
例えば、医療費が100万円かかった場合、年収370万円未満の負担上限額は外来が現行の1万2千円から5万7600円に、入院も現在の4万4400円から5万7600円にそれぞれ引き上げる予定。
年収370万円以上の「現役並み所得」とされる人は、年収に応じて新たに3つの区分をつくるようです。外来は現在の4万4400円から最大25万4000円に、入院も現行の8万7000円から最大25万4000円に引き上げ。低所得の住民税非課税の人についても、外来現行の8000円から所得に応じて1万から1万5,000円に引き上げる案を示しています。
見直し対象者は約14,000人、非課税世帯の外来見直しも加えると2,220万人に影響が及びます。
さらに、75歳以上の後期高齢者医療費の保険料を9割、8.5割軽減している「特例軽減」を廃止し、75歳になる人は2017年度から保険料が2倍になるなど最大10倍もの負担増を強いることになります。療養病床に入院中の65歳以上は、新たに居住費を1日320円から370円に引き上げるなど、軒並み負担増を押し付ける内容です。
一方、子どもの医療費助成に対する国のペナルティについては、見直し対象を未就学児までに限定となりそうです。
社会保障審議会医療保険部会では、委員から「医療へのアクセスを阻害してはいけない。慎重に検討を」「重症化につながれば、医療保険財政にも支障をきたす」などの意見が次つぎ出されたとか。当然です。