1学期も2学期も「5」でも、「チャレンジテスト」で体調悪くて1点足りず「3」に内申を変更された?
池田子どもと教育を守る会主催で開かれた「チャレンジテスト」の学習会に参加しました。
2016年から大阪府教委が、年1回の「チャレンジテスト」の結果を高校入試の内申点に反映させようとしている問題は学校間格差を広げ教育の在り方そのものを大きくゆがめるものです。
これまでの公立高校の入試制度は、入試当日の学力調査と中学3年生の調査書を総合して合否判定をしています。調査書は、国・社・数・理・英の5教科だけでなく体育、音楽、美術、技術の成績もふまえたものです。学習評価は、教員が定期試験や授業中の学習、ノートや作品などの提出物をもとに絶対評価5段階で評定しています。「チャレンジテスト」を各中学校に押し付けることは、各中学校の教育課程編成権、教員の教育評価権を侵害するものとなります。
日頃いくら努力しても、「チャレンジテスト」で点数を取らなければ高校入試の内申点が下げられ、逆に日頃宿題もせず定期テストを受けていない子どもであっても、「チャレンジテスト」で点数さえとれば「5」や「4」がつけられることになり、普段の授業をがおろそかにするような子どもも出てくるでしょう。普段80点、90点取っていても、体調不良などで「チャレンジテスト」を失敗すれば内申は低く変えられてしまうことになるのです。
今年実施されたテストで、中学1年生は6000人以上、中学3年生は13,000人以上が評価の変更をさせられており、教職員や保護者から疑問や不満の声が渦巻いているとのこと。
もう一つの問題は、業者にテストの作成も採点も分析も丸投げし、保管は1年限りで、子どもたちがどこを間違えたのか、採点ミスではないかとのチェックが出来ないことです。テストは子どもたちがどこでつまづいているのか、理解度は、などと先生が判断をしそこに手を差し伸べるためのもの。それを学校や生徒をランク付けし格差をつける手段にするなどとんでもありません。
いじめや不正の温床にもなりかねません。こんなひどい評定の仕方は大阪だけ。全国どこにもありません。
しかしいくら府教委が進めようとしても、各市町村の教育委員会が「チャレンジテスト」に参加しないと決定すれば、これまで通りの内申の評定ができるそうです。決めるのは教育委員会の自主性。大阪府教委の言いなりになる必要はないとのこと。
しかし9月議会での教育長の答弁では、断り切れないニュアンス。子どもたちの教育の在り方がゆがめられないよう、保護者から教育委員会に働きかけ励ますことが重要です。教育委員会もしっかり議論して子どもたちの教育を守っていただきたいと切に要望します。