幼保一体化の目的は? トワイライト研修・その③
幼保一体化の目的は、
①質の高い学校教育・保育の一体的提供…世界に誇る学校教育・保育をすべての子に…全く同じ文言が池田市子ども条例の改正文にありましたが、質の高いというのはどういうものなのか、一体的提供とはどのようなものなのかがよく見えてきません。
どの子もその年齢に見合った保育・教育が受けられることは大切なことですが、現実には正規職員が減らされ非正規や任期付職員に置き換えられていることをどう改善するのか。保育士の配置基準は低いまま据え置かれ世界的にも大きく立ち遅れているし、公的保育の充実よりも、利益を追求する株式会社などの参入を簡単に行えるようにすることが、世界に誇る質の高い幼児教育・保育を提供することになるのか…。
②保育の量的拡大…女性の就労率向上や多様な保育のニーズに対応する量的拡大をはかるためとあります。そのために施設設置基準を緩和していいのか。統廃合をするのでは量的拡大は図れません。幼稚園にも保育所の子どもを預かれるようにするのなら(逆もあり?)、施設の拡充、保育士の拡充は避けて通れませんが、今ある施設の中でやりくりするのなら、幼稚園教諭・保育士の仕事が増えることになるのでは…。保育ママなど小規模保育への支援も必要ですが、公的保育の肩代わりにしようとしていることは問題です。
③家庭における養育支援の充実…支援を必要とするすべての親子がすべての地域であらゆる支援を受けられるように、だそうです。池田ではふくまる子ども券を給付し、一時預かりをすることで子育てに疲れたお母さんがリフレッシュが出来るようにと10月からスタートしました。思った以上に申し込む世帯が多いとのことでしたが、そのための保育士の配置などが必要で、狭いパイを分け合うようなことのないようにしっかり支援が必要です。
先日、福岡の大野城市に視察に行きましたが、こちらは子育て家庭へのヘルプサービスでした。核家族化が進む中で、こうした支援が必要なほど子育てが孤立化しているのかもしれません。大野城市は、地域の高齢者たちとの結びつきを強める取り組みなどいくつもの支援を重ねる中で、子育てが楽しいと思う世帯が増えていました。
すべての子ども・子育て家庭への支援と言いながら、保育にかける子どもへの支援を減らすことになりはしないか心配です。ここを拡充しながら、家庭の子育ても支援できるよう、総合的で豊かな子育て支援が求められます。