国民ひとりひとりに背番号?(共通番号制度)
菅政権は、「社会保障と税の共通番号制度」を2015年1月から導入する基本方針を出しました。この秋の臨時国会に法案を出す方針です。
基本方針によると、住民基本台帳ネットワークを活用した新たな番号を創設。2014年1月までに個人情報の保護を監視する「第三者期間」を設置。6月をめどに新番号を割り当てる予定とのこと。
利用範囲は、当面(というのは将来さらに増やす?)、年金、医療、福祉、介護などの社会保障分野と税務分野とし、年金を含めた様々な収入や納税の記録、児童扶養手当などの給付状況、医療や介護費用の支払い記録などを一括管理する計画。
ネット上に個人専用ページを設け、自分の情報や利用できる福祉サービスを一覧できるようにするそうですが、個人情報の流用や悪用に対する対策についての具体案は先送りしたとのことです。自分で見るだけでなく他人にも洩れることは充分考えられます。今でさえ多くの情報が売買されているのにです。
基本方針ではこの制度の理念として、「納めた税金や保険料にふさわしい社会保障」を掲げており、社会保障を権利ではなく、納めた税や保険料に基づく対価とする考え方に変質させるものであり、社会保障に対する国や企業の責任を後退させるものです。社会全体(国が)で補償するという本来の社会保障ではなく弱者を切り捨てお金持ちのための制度となりそうです。
既に制度を導入しているアメリカでは、社会保障番号の盗難など年間20万人が『なりすまし被害』に遭っているそうです。定着している北欧諸国では、個人所得を誰でも見ることが出来るとか。
ネット時代に個人情報の保護対策が充分出来るものかどうか疑問です。利便性と裏腹に、あらゆる個人情報がそれぞれの人生に大きな影響を与えることも考えられます。病歴、交通事故も含む犯罪歴、図書カードなどによる思想信条、買い物などの傾向などなど将来的にあらゆる情報が一元管理されれば、就職差別などにもつながりかねません。しかも国家がそれを管理するとなると恐ろしささえ感じます。
軽々に進めて欲しくない問題です。