大阪府市議会議員研修会
年に一度大阪府内の市議会議員研修会が開かれます。場所は「ホテルエキスポパーク」。途中でエキスポランドの観覧車が取り壊されているのを見ました。長い間当然のようにあったものが無くなるというのはちょっと寂しい気がしますね。
今日は、元鳥取県知事の片山善博氏の講演でした。今は慶應義塾大学の法学部政治学科教授、地方自治論初代専任教授として、週6コマ授業をしているそうです。三田祭(学園祭)で授業が無いため来る事が出来たとのこと。
「議会の力で自治体が変わる」と題して講演されました。レジメは7項目ありましたが、全部には触れずほとんど議会のあり方議員の役割についての話だったようです。
今国会で行われている行政刷新会議の「事業仕分け」についてやり方に問題はあるが、やって良かったと思っている。いかに官僚が税金をないがしろにしているかがよく分かる。国民のための事業をやるとき何故か企業が間に入り予算の多くが中間団体の運営資金・ほとんどが高い給与になっている。直接政府が行えば良いのに財団法人、〇〇法人など天下り団体が必ず間に入ってピンハネという状態がいたるところにある。これが明らかにされ変えようとしていることが議会の力であると話されました。
国会は議院内閣制で与党が政府に入り、政治の責任を取る。しかし、自治体は議員内閣ではなく首長も議員も住民が選挙で選ぶ2元代表制で与党も野党もないこと、市長を担ぎ上げたとしてもそれは単なる支援者であること、支援者なら余計チェックを入れなければならない。親しければ親しいほど間違った方向に行かないようにチェックする事が大事であると言い、それをしないことは議員としての役割を果たしていないことになる、職場放棄であると、鳥取県知事になったときの経験を交えて議員のあり方を説かれました。
和歌山県知事の官製談合も、しっかり議会でチェックをしていれば間違いは正せたはず。落札率も90%を超えるとほぼ談合が行われていると見るべき。夕張の財政破綻も粉飾決算という独自の問題があったが、その決算を全部議会が通してきた。税収と交付金が40数億円の自治体で300億円の諸収入という内容を議会が承認している。国も借金を認めている。きちんとチェックしていれば問題点は見つけられたはずだとの話も納得。
片山さんは知事になったとき、予算を提案していても職員と一緒につくっており、すべて首長が解っているわけではない。人間のやることだから議案にも必ず欠陥があるとみるべきで、だからこそ、間違いがないかどうかチェックをして欲しいのだと自分を担ぎ出した与党と思っている人たちに決して根回しをしないようにと伝えたそうです。
中々思い切った内容の講演でした。第2の和歌山や夕張にならないために、議会の役割、議員の役割を見直す必要がありますね。