ここにも忖度が…男性の育休取れてますか?
9月20日付の毎日新聞・夕刊に「男性の育休進まぬワケ…」という九州大学の研究チームがまとめた調査結果の記事が出ていました。
男性の育児休業取得が進まない要因の一つに、「自分は育休を肯定するが、周囲は否定的に違いない」とかってに誤って忖度してしまう「多元的無知」と呼ばれる心理現象がある、と書かれていました。
研究チームは、勤務先に育休制度がある20~40歳代の男性にネット上でアンケートを取ったそうです。299人の回答のうち、育休に肯定的なのは7割を超える221人もいるのに「他者は育休に悪いイメージを持っている」と思っている人が118人で、残る103人が「他者も肯定しているはず」と考えているようです(でも意外と肯定派も多いんだ)。
しかし実際に取得するかどうか、取得意志の強さを7段階で表してもらうと、前者(多元的無知)は「どちらかというと取得しないだろう」の範囲に入り、後者(他者も肯定)はどちらともいえない」に近かったとのこと。労働環境にもよりますし、これだけでは実際の取得率を図ることは出来ませんが、2016年度の男性の育休取得率は、わずか3.16%。政府は2020年までに13%に引き上げる目標を掲げるそうですが、取りなさいと言うだけでそう簡単に10%も上がるでしょうか。
ちなみに池田市で男性の育休利用状況は2017年までに5名とのこと。約600人のうち半分が男性としても1.6%、実際にはもうすこしだんせいがおおいとおもわれますので、全体の平均よりもはるかに低い取得率だといえます。
取得率の低さの背景には、雇用の実態がギリギリの人員配置で「自分が抜けたら仕事に迷惑がかかるのではないか」「復帰して元の職場に戻れるか」「差別はないか」など不安もあるのでは、そして根底には、「子育てや家事は女性の仕事」的な考えが歴史的に染みついているのではないかと私は思います。