原爆の被爆体験を語り伝える「かたりべさん」
先日ビデオにとっていたNHKのヒロシマ8・6ドラマ「かたりべさん」を見ました。
今年は原爆投下から69年目。原爆の被爆体験を語り伝える「かたりべさん」はもうかなりな高齢で、被爆者は絶滅すると言われています。広島市では伝承者養成事業を始めているそうですが、2人の学生が養成講座に入り、被爆者の体験を聞きながら最後は子どもたちの前で伝承者として切々と被爆者の体験したことをを語っていくというドラマです。
私が一番きれいだったとき、町々はガラガラとくずれて、
とんでもないところから青空なんかが見えたりして
私が一番きれいだったとき、私はとても不幸せ、私はとんちんかん、私はめっぽう淋しかった
という荒木のり子さんの詩の朗読で始まった番組は、就活がうまくいかない男子学生と、被爆を隠し続ける祖母と親の中で伝承養成事業に応募する女子学生がうまく思いを伝えられない1人の被爆者につき、語る辛さと聞く辛さが交錯します。若者たちは、語り切れずに苦しむ被爆者たちの気持ちを担当相手の体験に重ねてこそ伝承になると気づき、被爆者はこの若者たちに次世代への遺言を託そうとします。
この中で、「戦争で誰か得をした人がおるんか、わからんのよ」の言葉が印象的でした。
誰の特にもならない戦争がなぜ起こってしまうのか、一人ひとり顔と名前のある人間同士で培っている信頼や愛情が足りなくなった時が一番危ない。今の生活が不安になって相手の国が恐ろしいと感じたとき、やられる前にやっつけようとする。何かボタンの掛け違いがあった時それをきっかけに一気にみんなが熱くなって、気が付くと後戻りできない大きな戦争になってしまう。かつて本当にこの日本で、お爺さんやお婆さんの時代におきていた、今もよその国で起きている…戦争をしないためには冷静さが必要…と語る若者達。自分たちの未来は自分たちで考えようと投げかけました。
死者14万人、そのあとも亡くなった人は28万人といわれています。核廃絶の声を今こそ世界に広げましょう。