今の日本の社会保障制度は、イギリスの救貧法(1934年)へ逆行か!

 2014年4月13日(日)
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 昨日は池田社保協の総会に出席しました。

 総会に先立ち、大阪社保協会長の井上賢二さんが「アベノミクスと社会保障解体への道」と題して講演。社会保障の歴史から日本の社会保障とイギリスの社会保障について語られました。

 イギリスの社会保障は貧困者を救済することから始まり、1834年の新救貧法では貧困の原因を「個人の道徳的堕落」にあるとされ、救済対象を高齢者や障害者・病人などの「働けない貧困者」に限定したそうです。まさに今の日本が向かおうとしているような内容です。

 ところが「ロンドン市民の生活と労働」18年間に及ぶ調査で、貧困の原因は雇用問題(1.低賃金、2.不安定雇用、3.世帯主の病気や大家族…境遇に基づく貧困)にあることを発見した、゛ブースによる貧困研究”が紹介され、貧困は決して「個人の道徳的堕落」によるものではないことを明らかにしました。

 そして極貧労働者を取り除き、貧困な労働者は標準的生活ができるように、老齢年金や障害年金、公的扶助を給付して生活を保障する。不安定雇用をなくすために正規雇用かも提起され、数年後には世界初の無拠出老齢年金、世界初の職業紹介所、国民保険法(失業保険法)が生まれ、近代的貧困の本質の発見、貧困の認識を一変する社会保障制度が誕生した、とのこと。

 1942年に「ベヴァリッジ報告」と呼ばれる「社会保険と関連サービス」と銘打たれた政府の報告書が発表され、福祉国家の基本目標を、全ての国民が「所得の維持によって窮乏からの自由を獲得すること」におき、失業・疾病・障害・老齢・死亡などあらゆる社会的事故に対して、国民に「国民最低限」(ナショナルミニマム)をもれなく保障するべきだと主張。

 当時「資本主義社会を社会保障中心に再建する」と宣言することがどれほど「革命的」なことであったか…もちろん右派や戦争遂行内閣からは反対表明が上がったようですが、「ベヴァリッジ報告」はたちまちベストセラーとなり、ダイジェスト版は戦争中の兵士にまで届けられたそうです。それは戦後の西欧諸国の福祉国家形成に大きな影響を及ぼし、日本の社会保障計画の際にもお手本とされたとのこと。

 しかし、いまや日本は社会保障解体への道を歩んでいると言わざるを得ません。「自助を共同化」した「社会保険制度」とする方向です。公費負担の徹底した削減、制度から押し出された部分を含めて新たな市場化営利産業を作り出す狙いが見えます。

 といった内容について、非正規労働者が増え続け労働者の年収が下がり続けていること、大学生の就活自殺の増加などなど資料を示し話されました。

 聞けば聞くほど歴史に逆行する安倍政権です。
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by michiko_fujiwara | 2014-04-13 18:06 | 福祉・社会保障