2020年のオリンピックは東京開催が決定! でも喜んでばかりはいられない
今日のニュースはオリンピック一色。2020年夏季オリンピックは東京に決まった…と。
スポーツの祭典を近場で見ることが出来るという点では、国民に夢とワクワク感を与えることは理解できます(テレビで見る分にはいまや世界のどこで行われていても同じですが…)。でも現実はどうでしょう、そんなに手放しで喜べるでしょうか。
東京の決め手が、安倍首相の汚染水対策のスピーチだったとか。福島第一原発の汚染水漏れを解決できると説明したそうです。さらに、「しっかりと(汚染水対策を)実行していきたい。今の段階でも、原発の港湾の0・3平方キロメートルの中に完全に汚染水はブロックしている」とも…。この言葉、福島のみなさんの前で本当に言えるのかと言いたい。それとも、福島はどうでも東京は大丈夫と言いたいのか?
31日に福島第一原発敷地内のタンク群4ヵ所で高い線量が確認されており、最大1800ミリシーベルトの値も確認。タンクから汚染水が洩れ、排水溝を通じて外洋に達した可能性が高いといわれています。またすでに汚染された地下水が海に放出し続け、これを止める手立てもないというのが現状ではありませんか。
東電は7日にも、汚染水洩れのあったタンクの南側に掘削した観測用井戸で、5日に採取した水からストロンチウム90などベータ線を出す放射性物質を1リットル当たり330ベクトルを検出したと発表したばかり。タンクからもれた高濃度汚染水が土壌に浸み込んで地下水に到達した可能性があるとも見られています。
どんどん海に流れ出る地下水を止める手立てもしないまま、平気で安全宣言できる安倍首相を信じたオリンピック委員会は、今後後悔する事になるのではないでしょうか。汚染水の流出を止められるんだったら何故今まで拡大を放置してきたのか、ふるさとを奪われた人たちは納得できません。仕事を奪われた漁業関係者はどんな思いでこの発言を聞いておられるでしょう。
早速、オリンピックの開催に間に合わせるのだと、国が外環道(関越〜東名間)の本格着工をめざし、一方的な住民説明会を繰り返しているそうです。外環道のこの区間は大深度地下方式で建設するため、通行料金で回収できるのは採算点の2割だけ。投入予定の税金は1兆円をこすとのこと。
オリンピックで経済効果を実感できるのはこういった大企業、ゼネコンだけでしょう。現に長野オリンピックでは地域の経済効果はほとんど無かったと言われていたではないですか。
オリンピックに税金を投入する一方で、国民には消費税増税(オリンピックで消費税増税を決めやすくなったと言っている様です)、社会保障の改悪、TPPで農業も医療もズタズタにし、ブラック企業がはびこるなかで国民の消費購買力は落ち込むばかり。町の住民が疲弊する中で浮かれてばかりいられないのではないでしょうか。
東京オリンピックが決まった今、政府は安全だと宣言した責任を取る必要があります。
汚染水対策を急ぎ、原発の危険性をなくすために、原発再稼動ではなくすべての原発を廃炉にして自然エネルギーに切り替えることを真剣に考える時です。