「どうか小さなひとつの命とひきかえに…」
衝撃的なニュースが飛び込んできました。
大東市の小学5年生男児が、14日午後4時25分ごろ、学校統廃合に反対し電車の飛び込み自殺をしたとのこと。
男児が通う学校は今年4月、近くの学校に統合され(小学校3校が新年度から2校に)、2月17日に閉校式の予定だったそうです。遺書らしきメモには「どうか一つのちいさな命とひきかえに、とうはいごうを中止してください」と記されていたとのこと。この文字を見て涙が出そうになりました。
男児は13日、「閉校式を止めることができないか」「学校がつぶされるのに僕たちの気持ちを誰も聞いてくれない」と話していたそうです。1年ほど前から、学校をつぶさないで、などと訴える作文を書いたりしていたらしく、12日にひらかれた閉校式の予行演習はとてもつらかったようです。14日には、統廃合について賛否を尋ねる聞き取り調査をクラス内で自ら実施したということですから、自殺直前まで学校をつぶさないでとアピールしていたんですね。
毎日新聞には、現場近くに残されていた遺書らしき文章の全文を載せていました(内容は次の通り)。
“自分をぬいて、25人全員が「とうはいごうがなくなってほしい」に賛成しました。また、一人たりとも「なにもしない」人がいませんでした。これは勇気がいることとさっします。ちなみにぼくは「とうはいごうがなくなってほしい」「なんでもする」に賛成です。どうか一つのちいさな命とひきかえに、とうはいごうを中止してください。” …と。
母親の携帯電話には自殺直前、「今までありがとう。みーんな大・大・だあい好き」とメールがあったそうです。父親は「突然のことで、僕らが受け止められなかったことに悔いている。もっと子どもの意見を聞いて(統廃合の議論を)進めてほしかった。親も含めて、もっともっと話を聞いてあげないといけなかった。世の中を変えるには、死ねばいいと子どもたちに思って欲しくない。生きて世の中を変えると強く思って欲しい」と話しておられます。…本当にそうです。
このことを市教委はどう受け止めているのか(とりあえず17日の閉校式は延期するそうですが)、池田でも小中一貫教育の名の下で学校統廃合が行われようとしており、住民運動の高まりの中で一定の見直しが行われていますが、一番影響を受けるのは子どもたち。実際に学校に通う子どもたちの意見をよく聞く必要があります。
進めるほうは「子どもたちのために」といいますが、本当に子どもたちが望んでいるのか、よく考える必要があります。大人の都合や費用対効果を教育に持ち込むべきではないと思うのですが…。