生活保護バッシング

 2012年6月12日(火)

 芸能人の母親の生活保護受給バッシングを追い風に、政府は生活保護制度の改悪を目論んでいます。

 一人ひとり個人の人格を大事にする時代に、日本は家父長制度の名残をいろんな制度に残しています。一家の長が家族の面倒を見る、家族が助け合うという考え方です(面倒見れる方は良いのですが)。生活保護もご他聞に洩れず扶養義務者という形で親族に面倒見れないのかと手紙が出されます。三親等までというと両親の兄妹・つまり叔父さん叔母さんにまで面倒を見てもらえということになります。

 私には四国の特養施設に叔母さんがいますが、結婚式や葬式程度でしか普段行き来のない叔母さんに、ましてや認知症がかかっている叔母さんにとても生活の面倒を見てくれとはいえません。

 いまなら、扶養義務者が保護開始の要件とはなっていませんから扶養義務者が援助できないといえば、最後のセーフティネットとして保護を開始しなければなりません。
 ところが、政府は、扶養義務者に対し「扶養できない証明」を出させようとしています。成人して生計を別にする子どもや親戚にまで資産調査をし証明を出させることになります。

 今でさえ、保護申請をしようとしていることを知られるのがイヤで申請をあきらめている人がいます。証明を出せと親族に言われるなら迷惑をかけたくないと今以上に申請をやめる人がでるでしょう。札幌で、北九州で生活保護を受理されず、餓死をしたとの報道がありました。札幌では今年、「懸命な求職活動」を求められて姉妹が孤立死したという事件も記憶に新しいところです。証明書提出は、申請権を妨げて餓死や孤立死、自殺を増やすことになるでしょう。

 イギリスやフランスでは、そもそも子どもに親の扶養義務はないそうです。もちろん兄弟姉妹の扶養義務もありません。たとえ高額所得者でも義務はなく、高額所得者はその分税金を沢山納めることで義務を果たし、自分の親だけでなく多くの保護受給者の扶養に貢献すればよいといった考え方だそうです。

 日本政府は富裕層の税金を減税しておいて、庶民に「家族の責任で親を養え」というわけです。
[PR]
by michiko_fujiwara | 2012-06-13 00:54 | 福祉・社会保障