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藤原みち子の活動日記

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第51回 大阪府市議会議員研修会

 2011年11月19日(土)雨
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 昨日、千里のホテル阪急エキスポパークで大阪府内の市議会議員研修会が開かれました。

 今年の講師は、中央大学大学院経済学部教授の佐々木信夫氏。東京都庁の勤務経験もあり、専門は行政学、地方自治論。議題は「地方議会は変われるか」。

 GDP・500兆円の3分の1(170兆円)が公共経済に使われているのだそうです。経済は、どれだけの量が必要かどれだけのサービスが必要かなど、市場メカニズムで意思決定しますが、個人や企業で解決できない領域が公の領域であり、政府が解決すべきもの。これらは政治のメカニズムで意思決定をする。ゆがまない意思決定が出来るかが大事だがうまくいってるようではない、と議会の仕組みやありようについて講演されました。

 日本の場合、市町村に35,000人の議員がいる。皆さんはエリートだといわれ、おべんちゃら?と一瞬思いましたが、日本ではエリートという言葉を間違って使っているとのこと。本来エリートとは成績優秀な学校を出た人を言うのではなく、住民に選ばれた人のことを言うのだそうです。

 市町村合併で自治体も議員も半分になりましたが、ヨーロッパと比べると日本の議員数は少ない。都道府県に2,800人の議員と市町村で35,000人、国会で720名、3層制の政治となっており、3分の1ずつ分けて行政を行う仕組みになっているんですね。

 日本の自治制度は、2元代表制ですから、議決機関である議員と、執行機関である自治体の長を別々に選出することになっています。ですから、議院内閣制の国会と違って与党だ野党だというのはおかしい。本来は一人ひとりの議員と首長の対決であるはずであるとキッパリ指摘。与党だからと市長提案にはすべて賛成という池田の議会はおかしいということになります。もっとも池田だけではないようですが…。

 議会の役割、①公共の決定者ですから本来は議会が強いはず。ところが日本は執行機関の長の権限が強すぎる。ヨーロッパは議院内閣制で市長はいないため、議会しか住民の代表はいないそうです。

 議会の役割、②住民自治の観点から権力の監視者であること。首長ら執行機関の監視統制機関です。住民自治とは、あまねく多くが参加し意志決定することであると言われましたが、そうすると住民代表である議員は多いほうが良いという事になります。議員を減らすことをよしとする風潮がありますが、それは監視機能を弱め、長の権限を大きくすることになります。

 ③政策立案者という役割があります。なぜ、政策・立法活動(条例提案)を首長のみに頼るのか、極端な主張依存になっていると指摘され、もっと議員が積極的に条例提案できるよう議員共同の法制局をつくればいいと提案がありました。私たちも何度か議員提案を行いましたが、条文を作るのは大変です。法制局があれば、条例内容のメモを渡せば作成してくれるのですから、提案するハードルが低くなります。

 ④民意の集約者であるべき。議会の内容を住民に報告し、住民の意思を集約してくることが議会の役割です。私たち日本共産党は、報告会を開き報告ビラを配布し、アンケート活動を含めた意見集約をしてきましたが、何故議会が住民報告会や意見集約の機会を持たないのかと指摘されたところです。議会が実施すれば、各議員の議会での意見の違いも見える…と。 なるほど。

 また、何故執行機関の監査委員を議員が兼ねるのか、2元代表制の制度趣旨に反すると言われました。確かに、議員には決算内容を認定する決算委員会がありますから監査委員をするのはおかしいです。戦前には監査委員が唯一のチェック機関だったためその名残が残っているのだろうとのこと。本来監査委員会は独立させるべきで、議員は決算委員会で政策をきちんと監視すべきである…その通りだと思いました。

 議会の地位を上げるため、政治の質を高める議会改革が必要だといくつかの提案をされました。

 いろんなところに戦前の名残が残っている様ですが、議会にも首長がいまだに召集権を持っているなどの名残が随所に残されている様です。欧米に比べ政治は2流といわれても仕方ない状況がまだまだあるということです。

 昨年に比べ、今年は学ぶべき点が沢山ありました。
by michiko_fujiwara | 2011-11-20 00:37 | 議員活動

“子どもたちに笑顔、若者に夢、高齢者に安心を” 日本共産党池田市会議員・藤原みち子の活動日記 e-mail : m_fujiwara(a)wombat.zaq.ne.jp…(a)は@に置き換えて。随分長い間メール機能が止まっています。しばらくご容赦ください。


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