アメリカの保育事情

 2011年8月23日(火)

 政府は2013年度から「こども・子育て新システム」を導入し、保育の市場化をねらっています。

 先日の赤旗新聞には、完全に市場まかせとなっているアメリカの保育の実態が紹介されていました。

 保育の質を担保する連邦統一の基準はなく、全国統一の「保育士資格」もないそうです。州政府の認可を受けた保育所・チャイルドデイケアセンターには最低限の基準はあっても、州によってその基準は違い、その他の保育施設はほとんど規制の対象外となっているとのこと。

 家庭的保育所・保育ママの場合、預かる子ども1人から認可が必要な州が12州ある一方で、子ども13人まで無認可で営業できる州もあります。

 ベビーシッターや親戚、友人、近所の人で保育してもらう場合はほとんどの州で規制がないそうです。

 保育の選択肢は多くても、その中から質の保たれた保育所を選ぶのは至難の業。設備が整って周辺環境が良くても遠かったり、近くても施設内が暗く心配であったり、午前はベビーシッター、午後は保育園という2重保育もやむをえない状況はザラにあるようです。

 保育料はピンキリ料金。ニューヨークで働く女性の話によると、1歳未満の保育の場合、月1800ドル~2000ドル、円換算すると約20万円~22万円もかかるとの事。しかもこの中には、おむつ、ミルク、離乳食の料金は含まれないそうですから、もっと沢山の費用がかかることになります。

 それだけ払っても仕事を続けられる人だけが、保育という商品を買うことができるということのようです。乳児の場合、公立大学の学費よりも高い保育料になるとか。

 連邦政府が予算を出すのは、貧困層のみ。保育料の高い、低いで利用者の階層が歴然としているそうです。

 いま、日本の場合は、自治体に保育実施義務があり、国が施設設置の最低基準を定めており、保育に欠ける子は自治体が措置する仕組みです。待機児童問題はありますが、保育料は所得に応じて定められており、一定のカリキュラムに沿って保育が実施されています。

 政府がすすめようとしている「子ども・子育て新システムは」それらを大幅に変え自治体の責任をなくしてアメリカのように市場任せにするものです。子育て支援どころか、保護者任せ、民間任せでは後退だと言わざるを得ません。

 次世代を担う子どもたちは社会の宝。子育てに経済効果を持ち込むなどもってのほかです。

 池田市は新システムの先取り・良いとこ取りをすると言っていますが、何がいいところなのか、何を先取りしようとしているのかよく見ていく必要があります。
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by michiko_fujiwara | 2011-08-24 00:29 | 福祉・社会保障