「保険あって介護なし」…介護保険改定案を可決

 2011年6月15日(水)晴れのち曇り

 14日の参議院厚生労働委員会で介護保険改定案が可決されたそうです。日本共産党と社民党を除く、民主党、自民党、公明党、みんなの党による賛成多数との事。

 この改定案には介護保険サービスのいっそうの抑制をねらう問題点が含まれています。

 ひとつは「要支援」と認定された高齢者へのサービスを、市町村の判断で「介護予防・日常生活支援総合事業」に移し、配食や見守りなどと組み合わせ保険給付の対象外にできるとしている点です。

 いま地域包括センターで、要支援に一歩手前の特定高齢者に対し介護予防のための事業が行われていますが、この事業のなかに要支援と認定された人たちも移すことが出来るというものです。

 これは介護の認定外事業ですから一定の補助はあっても介護保険の給付金のように利用に応じた補助金ではなく一律の補助となるため、サービスをすればするだけ自治体の負担が増えることになり、自治体としてはサービスを制限せざるを得なくなります。

 自治体の判断と言っていますが、国からの指導で一定の縛りが出てくることも予想されます。国だけが補助金の減額で支出を減らすことになります。

 先日の代表質問で、自治体に判断を迫られたら池田市はどうするつもりなのかと質問しましたが、これに対する市長の答弁は無かったようです。

 もうひとつの問題点は、医療行為を介護職員ができるように緩和することです。例えば痰の吸引は看護師など医療専門職しかできませんでしたが、介護士が出来るようになれば早く手当てできるとの触れ込みです。

 確かに、それで助かる方もあるでしょう。しかし、4年前に私の母が自宅前で転倒し圧迫骨折で入院した際、痰の吸引中に呼吸停止となり、脳に障害を受け、そのまま意識を取り戻すことなく 1ヵ月後に亡くなりました。

 高齢者は機能が弱っていますから少しのミスでも命にかかわります。病院の看護師でさえこうしたことになるのですから、病院でなく在宅でこんな事態がおきれば医師も間に合いません。このことがトラブルに発展しないとも限りません。医療行為の規制緩和は大変心配です。介護職員にとっても負担だけが押し付けられることになります。

 新設される24時間対応の巡回型訪問サービスも、便利な反面、サービスの細切れ化となり、高齢者の状況変化の把握がおろそかになる心配もあります。介護労働者の不足で絵に描いたもちになることも考えられます。

 介護型療養病床廃止の方針も変えていないため、市民病院など急性期の病院から患者の行き場を奪う問題も残されています。

 こうした国の改悪に自治体はどう対応していくつもりでしょう。賛成した民主・自民・公明・みんなの各党の責任は大きいものがあります。
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by michiko_fujiwara | 2011-06-15 23:57 | 福祉・社会保障