ネグレクトが増加しています

 2010年8月2日(月)晴れ

 大阪市西区のマンションで幼い姉弟の遺体が見つかり母親のネグレクト(育児放棄)が明らかになりました。少し前には虐待で子どもをしに至らしめる事件と、本当に痛ましい事件が続いています。

 厚労省によると、2008年度に全国の児童相談所に寄せられた虐待相談は4万2664件、そのうちネグレクトは1万5905件と37%を占めています。1999年度と比べると4.6倍に増えているそうです。

 子どもが大人になりきらないうちに親になってしまっているように思えます。学歴社会の中で勉強さえ出来ればいいという風潮をつくり、塾通い、お稽古事と、子ども同士が外で集団遊びをすることが少なくなっています。遊びの中で社会性を身につけ、ガマンすることも、相手を思いやることも学ぶのですが、発達過程を踏まずに自分さえよければいいという考えが広がっているような気がします。

 核家族の多い今の時代、子育てや子どもの発達に関する不安や悩みを抱えている若い父母は少なくありません。 気軽に相談できるところや子育ての仲間、地域のネットワークが必要です。

 早期発見で子どもを守るために、保育所や学校、病院、児童相談所、保健所、子育て支援センター、児童養護施設など、子どもにかかわる専門機関の連携や相談支援体制の充実が求められます。

 国連では、1989年に子どもの権利条約が採択されました。

 条約は、子ども観についての国際的到達点ともいえるものです。史上初めて子どもを権利行使の主体ととらえ、子どもの生存権、意見表明権、成長・発達権、保護される権利、市民的自由などを保障しようとするもので、これまでの「子どもはおとなのいうことを一方的に聞くべき存在」としてきた子ども観を大きく変えるものでした。同時に、子どもの権利を保障する政府などの責任を明記した画期的な内容をもっています。

 ところが日本では、条約採択後20年たった今でも、子どもの権利を守ることや子育てに対する社会的なサポートが、先進諸国のなかでもきわだって遅れています。自公政権による「構造改革」路線のもとでひろがった貧困と格差は、子どもたちにも大きな影響を与え、子どもの貧困率はOECD諸国30カ国中で12番目に高くなっています。子どもの7人に1人が貧困のなかに育ち、給食費が払えない、修学旅行にいけない、高校進学をあきらめざるをえないなどの事態がひろがっています。

 これらの原因は、政府が、不安定な雇用と低賃金、長時間労働をひろげ、教育、社会保障の切り捨てをすすめるとともに、子育てへの支援や保育、教育など家族を支える政策を怠って、子育てを親の「自己責任」にしてきたためです。

 フランスやドイツなどヨーロッパ諸国では、非常に手厚い子育て支援のための施策がおこなわれており、経済的な心配なしに子育てすることができます。子どもは社会の宝との考えが根付いています。

 子どもの権利条約の立場をつらぬき、子どもたちが大切にされ、だれもが安心して子育てできる社会をつくることが私たち大人の責任です。
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by michiko_fujiwara | 2010-08-02 22:09 | 福祉・社会保障