日本母親大会はエネルギー全開!
一時雨と書きましたが、京都は私たちが母親大会・日本大会会場に到着時、たたきつけるようなどしゃ降りでした。受付のテントでプログラムの入った封筒を貰おうと手を差し出すだけで右腕はずぶ濡れです。
しかし雨をものともせず、全国各地から集まった女性たちで京都府立体育館1階も2階も満杯。1階は出来るだけたくさん座れるようシートをはって座り込みです。
1955年にスイスのローザンヌで開かれた世界母親大会以来日本では第55回を迎えます。母親大会は京都のうたごえでスタートしました。いまや母親大会を開いているのは日本だけとか。日本の女性たちの粘り強さに脱帽ですね。
舞台のパネルは、京都総評女性部の手づくりで京都らしい絵巻物のようでした。
今年の記念講演は、京都佛教会理事長・臨済宗相国寺派館長で金閣寺・銀閣寺住職でもある、有馬頼底氏。「憲法9条京都の会」の呼びかけ人でもあります。世界歴史遺産2つの住職は私だけだと自己紹介されていました。
金閣寺の金箔は風に飛ぶそうで、常に輝かせるのは大変とのこと(風の強い日に行くと飛んでくるかも)。職人さんが朝の4時からくもの巣を払い薄くなった金箔をケアする、まさに「職人さんの手仕事」だと仰っておられました。たゆまぬ努力が行われていたんですね。
有馬住職は、平和や環境を守ろうと北海道(知床の自然遺産を守るシンポ)や沖縄など各地を訪問し、命の大切さ、平和、環境を守ろうと説いて廻っておられるようでした。
環境が変わると文化は守れない。 歴史の中で政治経済はほとんど残らず文化しか残らない。戦争は命の取り合い。5戒のトップは不殺生戒、つまり殺生はしてはいけない、人間を殺し合うなどとんでもない。最も不必要なのが核兵器、世界から無くさなければならない、お母さんたちの大きな力で子どもたちにちゃんと伝えていって欲しいと話をされました。
文化行事は京都市交響楽団の有志による金管5重奏。
良かったのは運動の交流でした。大分キャノンに派遣で働いていた3人の子をもつ若いお母さん。3ヶ月で解雇され闘争中で、3人では生活できず子どもを2ヶ所の施設に預けて必死で仕事を探している。県営住宅も出て行かなければならない、「早く子どもたちを引き取り一緒に暮らしたい」とみんなの心を打ちました。
国立循環器病院で過労死した看護師さんの裁判は地裁も最高裁も業務外と判決したが、全国の皆さんの支援でついに昨年10月勝利判決が出、厚労省も控訴断念をしたとの報告には大きな拍手。
群馬県では子どもの医療費について中学卒業まで完全無料化を勝ちとるという快挙。
岐阜商業高校の立命館移管を打ち出した市長に対し請願が出され議会で2度にわたって採択するなど住民の世論が政治を動かした。
など多くの地域での闘いの報告があり参加者を励ましました。「明るく、ねばり強く、しなやかにこれからも頑張ります」の発言に女性の強さ、エネルギーを感じました。しかし、苦しんでいる人は何倍もいるんですよね。政治のおおもとを変えなければならないと強く感じました。
ニューヨークからのニュース、国連が日本の女性差別の訴えに対し11人の委員から日本政府に厳しい意見が出されたことも報告されました。
また、飛び入りで明日のシンポジウムのパネリスト、アメリカの元陸軍大佐・アンライトさんと韓国の平和活動家のパクチョンウンさんから連帯の挨拶がありました。
母親大会は明日まで続き多くの方が京都で一泊されますが、大阪は近いので日帰りです。明日は立命館大学を中心に43テーマに分かれて分科会が行われます。私は今日だけの参加です。
「来年は福島さこらんしょ」との閉会挨拶でした。