スプーン曲げも出ました 池田母親大会
池田母親大会に参加しました。立命館大学名誉教授の安斎育郎さんの「核兵器のない世界へ~私の平和への思い」と題しての講演を聴きました。
東大工学部原子力工学科を卒業の工学博士、東大医学部助手、東京医科大学客員教授、立命館大学経済学部教授、国際関係学部教授等々多彩な経歴の持ち主で、現在立命館大学の特命教授(なんてのがあるんですね)・名誉教授。国際平和ミュージアム館長…とまだまだ肩書きは続きます。
トリックや超常現象の解明をされ、「だましの心理学」など数多くの著書があり、自称「だまし博士」といわれる安斎先生は、科学の目から心霊などありえないと言い切ります。
講演は、自己紹介の後「平和ってなにかな?」で始まりました。
昔は、平和とは「戦争のない状態」といわれたが、今は「暴力のない状態」と言われるそうです。暴力とは人間の能力が豊かに花開くのを阻む原因となり、直接的・構造的・文化的の3つの類型があるとのこと。
直接的暴力は、いじめや殺人など誰が誰に暴力を働いたかが分かるもので、戦争は最も荒々しい暴力です。ブッシュ大統領は内閣の多くが軍需産業上がりという事で戦争市場を拡大する使命があり、ウソで始まったイラク戦争を止めることができないのだと話されました。
構造的暴力は、人の命が輝くのを阻んでいる社会的原因。世界では「1日1ドル(約100円)以下」で暮らす絶対的貧困者が13億人もいること。世界で「4秒に1人」の割合で飢え死にしていること。日本が棄てる食料は年間200万トンあるのに、世界の食糧援助総量は1000万トンであること、地球の大きさからして世界68億人は養えはずはないのに、一部に集中するために飢え死にする人が出ている、これらは構造的暴力と言わざるを得ないと数々のムダについても紹介されました。
文化的暴力とは命をないがしろにしたり差別を助長する文化である。血液型占いは差別意識を生むし、民族差別のもととなったこと、古関裕而氏は優れた作曲家ゆえに戦争へいざなう曲をつくり、文化的暴力の担い手となったなど、文章にすれば難しい話を、実に分かりやすく、笑いを誘いながら、時間を忘れるほどでした。
最後に、手品を披露され、人間は理性を持つために騙されやすい、部分を見て全体をわかってしまうため思い込みをしでしまう。一面だけを見て判断しないようにと締めくくられました。おまけのスプーン曲げもありましたよ。